今まで毎日吸っていたタバコは、糖尿病になってもなかなかすぐにはやめられるものではありませんが、ストレス社会なので、精神安定剤的に吸っている方には、なくてはならないものになってしまっています。

害のある物を自ら進んで体に取り込んでいるのですから、糖尿病だから止めなければいけないという事ではなく、自分が病気で苦しまないためにはタバコは必要のない物と意識しなければいけません。

命を脅かす危険性の高いタバコは一刻も早くやめなければいけないということです。

3.18-1

タバコをやめれば合併症のリスクが減る理由

タバコが好きで吸っている方は、タバコは体に悪いからやめなければならないと、どこかで散々聞かされていると思います。

しかし、全く聞く耳を持たない方に限って、どのような害があるのかさえ理解しようとしないのが現状のようです。

糖尿病の治療では、タバコには多くの発がん性物質や有害物質が含まれているので、禁煙は必須といわれます。

特にニコチンが問題で、毛細血管を収縮させて高血圧を引き起こしたり、動脈硬化を強く進行させるなどの害を及ぼします。

高血圧も動脈硬化も糖尿病の人は合併しやすいうえ、それに喫煙も重なると、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を発症する危険性は急激に高まります。

血糖コントロールを良好に保ち、元気に長生きしたいのであれば、糖尿病の人や予備軍と言われてもタバコを吸っている人は、すぐにでも禁煙した方がよいということを、ここでは忠告しておきます。



タバコを吸うと具体的に体にどのような害があるのかというと

糖尿病、メタボリックシンドローム、ストレス、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、脳卒中、うつ病、咽頭がん、食道がん、喘息、肺がん、慢性閉塞性肺疾患、肺炎、バセドウ病、胃潰瘍、胃がん、すい臓がん、膀胱がん、ED、骨粗しょう症、子宮頸がん、妊娠や出産への影響、乳幼児突然死症候群など、喫煙はこのような多くの病気と関係があります。

どのような疾患に対してもタバコは毛細血管を収縮させ、動脈硬化を引き起こしたりと、悪影響を及ぼします。

電子タバコは糖尿病に害を及ぼすのか

タバコをやめて電子タバコに変えている方が増えているようですが、電子タバコでは糖尿病への害はないのでしょうか。

タバコを吸った場合には、癌、心筋梗塞、気管支喘息、2型糖尿病など、健康を害する恐れがありますが、電子タバコを吸った場合は、普通のタバコを吸うのと同じ様に、受動喫煙を含めた健康被害はあると思いますか?

現在タバコは、ニコチンを含む「一般的なタバコ」とそれ以外の「電子タバコ」というものに分けられています。

この「電子タバコ」も、さらに「加熱式タバコ」と通常の「電子タバコ」の2種類にわけられますが、各々の違いについてはおわかりでしょうか?

通常の火をつけるタバコはタバコの葉を燃焼させてその煙を吸うのに対し、タバコの葉を使った電子タバコは、正確には電子タバコではなく「加熱式タバコ」といい、タバコ葉を専用の機械で加熱し、その「蒸気を吸う」ものです。

この「加熱式タバコ」に対して、通常の「電子タバコ」と呼ばれるものは、フレーバーと呼ばれる液体を加熱し、その「水蒸気」を吸います。

日本で販売されているフレーバーは、薬事法上 ニコチンを含むと違法ですが、海外のものにはニコチンが含まれているものもあるので注意が必要です。

加熱式タバコや電子タバコの健康被害については、どちらも発売されてから日が浅いことから、正確な健康被害は明らかではないというのが現状です。

加熱式タバコの場合は、ニコチンを含むのでその健康被害はあるようですが、タバコ葉を燃焼させないことから、タールや一酸化炭素の被害はないとされます。

煙についての害は、タバコからは煙が出ないので受動喫煙はないように思われますが、加熱式タバコを吸った人の口からは煙が出るので、その健康被害の可能性はあるかもしれません。

電子タバコの場合、ニコチンやタール、一酸化炭素は含まれていないようですが、それ以外の物質による被害がないとは今のところ言い切れません。