糖尿病は高齢になるほど発症しやすい病気で、糖尿病の患者数は増えていく一方ですが、最近では30代など若い世代でも患者数が増えてきているようです。

また、昔と比べると高齢でも活動的な人が多く仕事を続けている人もたくさんいますが、その反面、実は忙しさのあまり糖尿病の治療を続けられないという人は意外と多くいるようです。

糖尿病

治らない糖尿病!忙しいと治療の意識が薄れる

糖尿病と診断されたり、糖尿病の予備軍と言われたら、すぐにでも治療を開始しないと命を縮めるリスクが高くなりますが、実際は多くの人が受診や治療を放置したり、治療を開始しても続けることができないことから途中でやめてしまうケースも多いようです。

糖尿病は治らない病気なのですが、糖尿病の治療で飲めば治るというような特効薬はなく、患者さんは忙しいことに加えて、少なからず糖尿病は薬で治るというような病気に対する誤解を持っているようです。

不確かな情報を元に安易な治療を実行したり、やみくもに食事を制限したりすることはかえって治療を難しくしてしまいますが、毎日の生活の中で病気の悪化を防いだり、合併症のリスクを下げていくことは可能なので、糖尿病としっかりと向き合うことで、健康な人と同じような生活の質や寿命を保つことはできます。



糖尿病の治療では、食事や運動など日常生活の中で続けていかなくてはならないことがたくさんあります。

もともと規則正しい健康的な生活を送っていた人なら良いのですが、糖尿病になる人は基本的にそうではありません。

そういう不規則な生活をしている人がさらに忙しいとなると、健康管理をする時間が取れなかったり、食事がだらしなくなったり、なかなか医師の指示通りにはいかないケースが多いのです。

そのような不規則な生活が重なる人の傾向は、だんだんと医療機関へ通わなくなることも多いようです。

糖尿病の進行で精神的な病気が誘発される

今まで活動的に暮らしていた人が、糖尿病の発症をきっかけに仕事に対してやる気が薄れたりと、精神的な影響を受ける人もいます。

糖尿病患者は、病気への不安や食事制限などの治療によるストレスが原因で、うつ状態になる頻度が高いこともわかっています。

うつ状態になると、治療に対する意欲がなくなってしまうこともありますし、病気の症状によりトイレが近くなったり、集中力がなくなったり、イライラしやすくなるなど生活に関わる悩みも多いので、糖尿病になると、これまでのように活動的な生活を続けられるかどうかが重要になります。

糖尿病

特に会社で働いている場合は、4割以上の人が自分が糖尿病であることを職場に告げていないことが調査結果で出ています。

その理由は糖尿病だと仕事上マイナスな面が多いということのようです。

治療の行いやすさや健康管理のためには、周囲の人に知らせて理解を得た方がよいのですが、全てがうまくはいくことはないと感じるのか、マイナス面ばかりを考えてしまいためらうケースも多く、それが悪化するとうつ状態になるようです。

糖尿病患者の健康を考えるうえで、社会全体の糖尿病に対する意識を変えていくことは重要だと思います。