糖尿病にはインスリンの作用不足などで起きる急性合併症と、慢性的な高血糖によって血管や神経が傷害されて引き起こされる慢性合併症があります。

合併症は、場合によっては命に関わるケースもありますし、合併症の状況によっては糖尿病の食事療法や運動療法にも制限が生じることがあり、治療自体が難しくなることもあります。

そんな合併症を引き起こす糖尿病の原因のひとつに糖分の摂りすぎがあります。

糖尿病

清涼飲料水の飲みすぎはが糖尿病によくない理由

清涼飲料水にはブドウ糖をはじめとする糖分が多く含まれているのを知っていますか?

このことにより、清涼飲料水をたくさん飲む人ほど糖尿病の発症リスクが高いという研究結果があります。

なぜこのようなことがおこるのかというと、ペットボトル症候群というものが関係してきますが、ペットボトル症候群とはどんなものか知っていますか?

ペットボトル症候群は、清涼飲料水の飲み過ぎによりケトアシドーシスという危険な状態になった2型糖尿病を指しますがインスリンの働きが極端に良くないことでも、糖尿病ケトアシドーシスの状態になることがあります。

糖尿病ケトアシドーシスは1型糖尿病の人がインスリン注射を中止したり、清涼飲料水を飲みすぎるペットボトル症候群などでおこり、その症状は激しく口やノドが渇いたり、トイレが近くなったり、体重減少、昏睡状態などを生じることもあります。

ペットボトル症候群の起こりかた

どのようにしてペットボトル症候群が起こるのかというと、糖の多い清涼飲料水は急激に血糖値を上昇させる効果がありますが、血糖値の上昇と炭水化物中心の食事が合わさることで、血糖値を下げるためにインスリンを分泌する膵臓に負担をかけます。

血糖値が急上昇しインスリンが過剰に分泌することにより、血糖値が必要以上に下がる事がありますが、この時、イライラしたり気分が悪くなったりして、再び甘い清涼飲料水を欲しくなりますが、これがペットボトル症候群が発症する流れです。

2.20-2

ところで、3大栄養素が、炭水化物・蛋白質・脂質なのはわかりますか?

たとえば食事で700kcalを摂った場合、同じカロリーの食事でも、おにぎりだけとか、菓子パンだけとか、ジュース類だけとか、やたら炭水化物中心の食事内容に偏ることがあるかもしれませんが、3大栄養素のうち血糖値を急上昇させるのは、実は、炭水化物・蛋白質・脂質の中の「炭水化物」だけなのです。

糖分をジュースなどの清涼飲料水で摂ってしまうと、血糖値が一気に上がることになります。

糖尿病は、糖分を含め摂取するエネルギーが多過ぎた場合に発症しますが、遺伝的な体質によっても変わりますのでどのくらいの糖分を摂れば大丈夫なのかは個人差にもよります。

また、糖尿病は血糖値が高いことが問題なので、清涼飲料水等の糖分だけが原因ではなく、通常の食生活において糖尿病になる人もいます。

糖分の多い清涼飲料水を飲むのが習慣になっていて10年以上飲み続けたり、適度な運動をしていなかったのであれば、糖尿病になる可能性もありますので、糖尿病になるのが心配なのであれば、糖分の多い清涼飲料水を飲むのはやめて、ゼロカロリーにするのも手です。

今までの缶コーヒーには半分近く砂糖が入っていたという事もあります。この缶コーヒーなどを、一日に何本も毎日飲めば血糖値が上がることになり、血糖値を下げようとしてインシュリンが出る時に、だるく疲れた感じになることがあります。

必要以上の炭水化物(糖質)の摂取で血糖値が上がる

肥満や脂質代謝異常は血糖値を下げにくくしますが、血糖値を上げるのはカロリー(エネルギー)ではなく炭水化物(糖質)です。

もしも糖代謝が正常に働いているのであれば、血糖値が一気に上がったり、一気に下がることもありません。

糖尿病の予防には、なるべく血糖値を上げない食事を心がけることですが、その食事の中でも血糖値を上げるのは炭水化物(糖質)なので、必要以上の炭水化物を摂りすぎないことが必要です。

炭水化物(糖質)は、1日の必要摂取カロリーの60%が適当であるといわれます。

例えば、1日の必要摂取エネルギーが2100kcalの場合、2100kcal×0.6で、1260kaclになります。

また、炭水化物1gで4kcalなので、1260kacl÷4kacl=315gが、1日に推奨される炭水化物量となります。



糖尿病ケトアシドーシスを発症したらすぐに医療機関で治療を受ける必要があります。

もしも意識を失った場合に備えて身近な人にも対応策を伝えておくとよいです。

また、予防のために日ごろから炭水化物(糖質)や清涼飲料水は飲みすぎず、体調管理にも注意し、水や無糖のお茶などで水分補給をすることが大切です。