糖尿病を患い、しばらくたっても血糖値のコントロールがうまくいかない方もいると思います。
そのような方は「ちゃんと食事療法と運動療法をしてますか?」と、お医者さんに念を押されるかもしれないです。
人によっては、”ちゃんと” という表現の受け取り方には違いや個人差があり、神経質な人にとっては「毎日何時間もかけて運動を行なったり、カロリー計算をしっかり行って料理をしなければいけない!」と思ったり。
ある人は逆に「週に1回程度運動をすればよく、3食いつもより少なめに食べれば良い!」と思っているかもしれないので、”ちゃんと” は具体的に何をしたらよいのか、各自の体調に合わせた療法をお医者さんと相談されたほうがよいと思います。
空腹時血糖値が250mg/dlを超えたら運動できるの?
極度の高血糖がみられる場合には、合併症の進行など全身状態の悪化が心配されるので、原則として運動を行ってはいけません。
普段と比べて血糖コントロールが悪いと感じたら、運動療法を中止して、一度受診して下さい。
普段はほどほどにコントロールできているけど、たまに血糖値が上がってしまう人は、原因があるのでそれを見直してみましょう。
食べ過ぎや飲みすぎ、薬の飲み忘れなどが原因であれば、すぐにでも改善しなければならず、血糖値が落ち着くのを待ってから運動療法を再開します。
風邪をひいても運動を続けなければいけないか
風邪は万病のもとと言われますが、風邪と糖尿病はどのような関係があるのでしょう。
運動を続けることは大切ですが、人間だれしも調子が良い時ばかりではないです。
無理をして体調が悪くなっても本末転倒なので、風邪をひいたとき、血圧が高めな時、熱がある時、頭痛や腹痛、その他の部位の痛みがある時など、調子が悪い時には運動を中止することをすすめます。
年配の方は頑固な方が多いので、少しぐらい体調が悪くても大丈夫と思ってしまうようですが、そのようなケースでは、後からもっと具合が悪くなる時があり、場合によっては病状が長引くこともあります。
運動をしていて具合が悪くなったら、即刻やめることをすすめます。そしてお医者さんに診てもらってください。
また、インスリン療法をしている人は、低血糖を起こさないように十分に中止して下さい。
体調が良くても悪くても、運動後に慢性的な疲労感が続く場合には、運動の内容が適していない可能性があるので、お医者さんと相談して、運動メニューを改善して下さい。
網膜症を発症していたら運動はできないか?
糖尿病を患って数年が経ち、網膜症の疑いがある方も出てくると思いますが、網膜症になったら運動はしてはいけないのでしょうか。
もしも網膜症が進行していたら、運動療法は進めることはできないとお医者さんに言われるはずです。
その場合には、網膜症の治療を優先して、症状が改善してきたらお医者さんの指導のもとで運動療法を再開することになります。
血糖値が安定することが、運動療法を行う目安となります。
網膜症が視力に影響している場合、周囲を見渡しにくい場所では運動できないケースもあり、外での運動が難しい場合には家の中でできる運動を行なうことになります。
ヒザ・腰が痛い時は運動療法はできないのか
ヒザや腰が痛い場合、運動をやるやらない以前に痛くてできない可能性の方が高く、運動どころではないことは自分自身が一番わかると思います。
無理をすると立ち上がれなくなったりすることもあるので、そのような場合には、運動療法はやらない方がよいです。
糖尿病の運動療法よりも、そちらの痛みを改善する治療を行う方が優先され、痛みがなくなってから、運動療法を再開してください。
ヒザ・腰は老化によって慢性的な痛みがおこることがあります。
神経痛も慢性的な痛みが伴いますが、日によって痛む時と痛まない時がありますので、自己判断で運動をするよりもお医者さんに相談して行う方がよいと思います。
ヒザや腰に痛みがある場合に、ヒザ・腰の関節に負担のかからない椅子に座って行なう簡単な体操もあるので、お医者さんと相談しながら進めていってください。