近年の生活習慣の悪化に伴い、肥満になったり運動をしない人が増える傾向が強く、そのような生活に変わっていくことに加え、高齢者の増加によっても糖尿病を持つ人は増えています。

糖尿病患者数が増えたことで、WHO(世界保健機構)が動き出し、糖尿病になった人に向けた治療はどんどん進化しているようです。

1970年代、糖尿病の治療で使う薬は2種類しかなく、インスリン注射薬は1種類しかありませんでした。

今では、糖尿病の薬は7種類あり、インスリン注射薬は2種類に増え、詳細な糖尿病治療に対応できるようになってきています。

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それでも糖尿病は増え続けている

医療が進歩しているのだから、糖尿病患者数は減っていると思われるかもしれませんが、世界的見ると、実際に糖尿病になる人の数はどうなっていると思われますか?

世界保健機構によると、前回調査した時には、全世界の成人の糖尿病を患っている人数は1億800万人だったのに対し、2014年には4億2,000万人を超え、その数は4倍近くも増えました。

特別策で糖尿病を封じない限り、2025年には世界の糖尿病人口は7億人を超えると予想されています。

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このように糖尿病が増えた原因として、世界的に見ても経済的に豊かになった人たちが増えたことで、肥満になる割合が多くなったことが大きく関係しているようです。

その割合は驚くことに世界の11人に1人が糖尿病と診断されていることになり、その他の糖尿病に近しい46.5%の人がまだ糖尿病と診断されていません。

今の悪い生活習慣を変えない限り、この方たちも糖尿病と診断されることから免れない可能性が高いです。

糖尿病にかかる医療費が12%を占めていることは驚きですが、6秒に1人が糖尿病が原因で死亡しているという現実があるようです。

日本の糖尿病患者数はどうなっているか

先ほどまでは世界についての統計結果をお伝えしましたが、ここでは、日本においての糖尿病患者数は増えているのかお伝えします。

日本では5年に1回、糖尿病に関する実態調査が行われていますので、その統計的な数値をお伝えしますと、1997年に糖尿病が強く疑われたのは690万人でしたが、2012年には950万人もの人が糖尿病と強く疑われています。

15年の間に260万人も増えていることになり、1年に直すと17,000人も増加していることになります。

その原因として、ただ単に食事の影響で肥満に転じていること、そして運動不足になっていることというだけでなく、日本での高齢者の増加が深く関わっているといわれます。

糖尿病が強く疑われると治療をすすめられるわけですが、そのうちで、治療を受けている人の割合は男性65.9%、女性64.3%います。

糖尿病が強く疑われる人に対して、糖尿病の可能性が否定できない糖尿病予備軍と呼ばれる人の数は、1997年に680万人でしたが、これが2007年の1,320万人をピークにそこから減少し、2012年には1,100万人にまで減ってきています。

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これはどういうことなのかというと、日本全体が糖尿病に対して改善するための活動を行なったり、特定健診をすすめたり、健診で改善する余地のある人に特定保健指導をすすめるというような効果が出ているのではないかと思います。

このような活動は糖尿病の怖さを理解し、意識をされた人には効果的でしょうが、糖尿病体型でありながらも、全く意識されていない人へアプローチすることがこれからの課題となりそうです。