血糖値が高く糖尿病になったり、糖尿病になる恐れがある場合には運動療法や食事療法を取り入れることになります。
ここでは運動療法について解説していきますが、運動を行うのは食前と食後のどちらにやったらよいのか気になりませんか?
一般的には運動をしてから食事をすると、おいしく食事がいただけるわけですが、糖尿病に関しては、そうではないようです。
運動療法を効率よく行う時間
糖尿病の治療では、運動は食後に行うのが理想的です。
その理由として、食後1時間くらいが一番血糖値が高くなるので、その時に体を動かしてやると効果的に血糖値に作用すると言われます。
糖尿病において運動療法をする意味は、ブドウ糖の消費を増やしたり、低下しているインスリンの効き目を改善して血糖値を下げることにあります。
通常であれば、血糖値は食後1時間くらいにピークになり、その後徐々に低下していきますが、毎回食事をする度にこの血糖値が上下する状況が繰り返されます。
そのため、血糖コントロールを効率的に行うには、一番血糖値が高くなる食後1時間頃に運動療法を行うのが最適なのです。
ただし、血糖降下剤やインスリン治療を受けている人は、起床後や食前の血糖値が低い時に運動をすると低血糖になる危性があるので、注意が必要です。
特に血糖降下剤やインスリン治療を受けている場合は、起床後や食前の空腹時の運動は避けたほうがよいです。
どんな運動をすれば効率よく血糖値を下げられるか
運動療法とはいえ、いきなり走ったりする必要はなく、各個人に合った強度で行える運動をすると良いです。
手軽に行える運動療法としてはウォーキングが一番良いと思います。
ウォーキングをする際、はじめはゆっくりでもよいので、自分の体調に合わせながら、1日30分以上は行いたいものです。
一般的に人間が歩くスピードは、1時間で4km歩きます。
30分だと2kmになりますが、さらにスピードを半分に下げるとしても30分で1kmは歩くことができます。
慣れてきたら時間と距離を伸ばしていけばよいでしょうし、もっと慣れてくればスピードもつけていくと尚効果的です。
約1万歩で、160~240kcal程度が適当な運動量といわれますが、消費カロリーや歩数などを気にする必要はなく、体調に合わせて毎日行うのが理想です。しかし無理だけはしないでください。
注意ですが、血糖コントロールが極端に悪い状態、たとえば、空腹時血糖値250mg/dL以上、尿ケトン体中等度以上陽性などがあるかもしれません。
腎不全の状態にある方などは、運動療法を行ってはいけない場合もあるので、事前に医師に相談してください。