糖尿病は初期の頃では、これといった自覚症状が見られない場合がほとんどなので、そのため放置してしまう人が多いのですが、その間にも病気は静かに進行して行きます。
たとえ自覚症状がなくても、繰り返し検査をして血糖値が高い状態が続いているとわかれば、糖尿病と診断され、治療や経過観察が必要になります。
健康診断で血糖値の高さを指摘されただけでは糖尿病と診断することはできませんが、糖尿病型の可能性は否定できません。
糖尿病の進行でおこる三大合併症
糖尿病がやっかいなのは、病気の初期にはあまり体の異常を感じず、病気の深刻さを実感しにくい所です。
これが疲れやすい、ノドが渇く、体重が減るなど自覚できる症状が出てきたとなると、血糖が高い状態がかなり続いている可能性が高いです。
血糖値が高い状態が続くと全身の血管が障害されて、数年から十数年かけて様々な合併症がおこってきますが、さらに合併症を起こした場合には、さまざまな合併症の症状があらわれます。
細い血管が障害されると「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」などの糖尿病三大合併症がおこり、足の切断や失明、腎不全にいたることもあります。
太い血管が障害されると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞を発症することもあります。
最近では、糖尿病が認知症やがんにも深く関わっていることがわかってきました。
合併症を防ぐためにも、生活習慣の改善を基本とする治療をしっかり行って、血糖値をコントロールしましょう。
ほかの多くの病気と同じように、糖尿病は早期に気づいて対策を打てば、健康状態を回復しやすく、生活への影響も少なくてすむのです。
糖尿病の自覚症状例
自覚症状がほとんどないのが糖尿病の特徴ですが、高血糖状態が続くことで、次のような症状が表われることがあります。
- やたらノドが渇く
- 太っていたのに急に痩せ始めた
- 手足がしびれたり
- けいれんがおきる
- 多尿で頻繁にトイレに行く
- 目がかすむ
- 視力が衰えてきた
- 口が粘る
- 下痢や便秘を繰り返す
- 発疹がないのに体がかゆい
- 性欲が衰えてきた
- 全身がだるい
- 気力がない
検査で尿糖が検出されてもそれだけで糖尿病かどうかはわかりませんが、糖尿病が進んでくると血液中に増えすぎたブドウ糖が尿中に排出されるので、尿の量や回数が増え、体内の水分が不足してノドが渇き水分をよく取るようになります。
さらに、だるさや疲れやすさを感じたり、よく食べている割には体重が増えず、脂肪がエネルギーとして使われるために、痩せてくることがあります。
これらが糖尿病に見られる特徴的な自覚症状なのですが、これらの症状がある場合には、かなり進行している可能性があります。
糖尿病をチェックする簡易的なポイントは、ノドの渇き、多飲多尿、だるさ、疲労感、体重減少などがないかを意識してみて下さい。