食べ過ぎる習慣から脱出!食事療法を続けるコツ

人間は何もしていなくてもお腹がすく生き物です。

今まで他の人よりも多く食べていたのに、糖尿病になったことで、いきなり食事の量を減らしたら、苦痛やストレスが生じるのではないでしょうか。

適正エネルギーの食事にしてみると、思った以上に量が少ないことを感じ、そのせいもあり、すぐにお腹が空いてしまう場合がほとんどだと思います。

これからずっとそんなことを続けていけるのか、不安になるのではないでしょうか。

それを克服するためには今後どのようなことをしていったらよいのか解説します。

量の問題は低カロリーの食品で補える

あなたはおそらく、今まで好きな物を好きなだけ食べてきたのではないでしょうか。その結果、糖尿病になった、または糖尿病予備軍に当てはまっていると考えられます。

糖尿病と診断されたほとんどの方は、食事療法を行うことになりますが、食べる量を限定されてしまうと、物足りなく感じるはずです。

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ましてや、食べすぎてしまう人の多くは、食べるスピードが速い傾向が強く、すぐに食べ終わってしまうため、余計に物足りなく感じることが多いと思います。

これを克服するためには、しっかり食べたと感じるために、少しの量であってもゆっくりと食べよく噛むことが大切です。

今までいつも目の前にたくさんの料理があった習慣の方は、見た目のボリュームが少ないと食べた気がしないという不満が生じることもあるかもしれません。

そのような場合には、ボリューム感を見せるような工夫をするとよいでしょう。

たとえ適正エネルギーを守った食事であっても、食材の選び方や調理の工夫によってボリューム感を出すことはできます。

同じ量の野菜を例にとると、炒めると小さくなるため、さっとゆでるか生のままのほうがボリュームはアップします。

このようにして海藻やきのこ類など、たくさん食べても低カロリーという食品を多く摂ってもよいでしょう。

揚げ物が好きな場合の食べ方

唐揚げや天ぷらなどの揚げ物が好きという方も多いでしょうが、糖尿病の人は唐揚げや天ぷらは食べられないのでしょうか?

決してそのようなことはなく、糖尿病の食事療法では、から揚げや天ぷらなどを禁止しているわけではなく、適正エネルギーの範囲内で、摂りすぎないでたまに食べるのであればよいです。

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しかし、揚げ物は大量の油を使い、高カロリーです。

今までのように普通に食べると、1回の食事で1日分のエネルギー許容量を超えてしまうこともあるので、揚げ物の量は普通の1人前の量の半分や1/3などに減らさなければいけません。

油をよく切ったりするなど、調理の仕方でカロリーを抑えられますが、そのような工夫をしたからといって、今までと同じ量を食べることはできません。

油脂類と一緒に糖質を摂った場合、血糖値が上がりやすくなるので、イモの天ぷらなどは注意したほうがよいです。

満腹感を得たいときは何を食べたらよいか?

糖尿病の人は今まで早食いや大食いをされていた傾向が強いです。

そのような方は、食べ方に注意に注意しないと、早食いや大食いは決して治りません。

早食いや大食いの人は満腹感を早く味わいたい傾向も強いですが、これからは今までのような満腹感を味わうことは難しいことになるかもしれません。

しかし、たまにでも満腹感を味わいたい事もあるでしょうが、そんな時はどのようなものを食べたらよいでしょう?

これについては、たくさん食べても血糖値を上げずにすむ食品があれば少しは解消されるかもしれませんね。

でも実際に行わなければいけないことは、腹八分目をめざし、食べ過ぎる習慣を改善することです。

しかし、それでもたまには満腹感を味わいたいという時は、低カロリー食品をおすすめします。

特に、食物繊維のある食品は血糖値の上昇を抑えます。

中でも、野菜類、こんにゃく、海藻類などは低カロリーなうえ、食物繊維が豊富です。

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食物繊維には、血糖値の上昇を抑制する効果があることがわかっており、1日20~25g以上を目安に摂ることが進められています。

野菜の食物繊維含有量は、100gにつき2~3gなので、1日に300gの野菜を摂れば、10g程度の食物繊維を摂取できる計算になります。

野菜の300gというと結構な量なので、結構満腹感を味わえることになるかもしれません。

また、食物繊維には、血液中のコレステロールが増えるのを防ぐ働きもあることから、毎日摂取することで合併症の予防にもつながります。