糖尿病を患っている人の体型を観察すると肥満や太っている人の割合が多いようです。
太っているから糖尿病になるというわけではないですが、その可能性は決して低くはありません。
健康診断におけるメタボリック症候群の検査では、必ず腹囲を測ることを行ないますが、それは糖尿病の第一歩目を調べるために行われることからも、肥満と糖尿病の関係は強いものがあるといえます。
食事療法を疎かにした結末
糖尿病や糖尿病予備軍と診断されると、たくさん食べすぎることで太るので、食事制限や運動を取り入れ、まずは痩せることをすすめられます。
糖尿病患者にとっては、その2つがうまくいかなかったことで糖尿病になったのですから、かなり意識的に行わないとうまくいく可能性は低いです。
糖尿病の人にとって食事療法は何のために行うのか理解できていますか?
ただ単に、体型を細くするために、痩せるために行うのでしょうか。
お医者さんにそうしろと言われたからやるのでしょうか。
実は、すでに糖尿病を発症している人にとって、食事療法はとても重要な意味があります。
このまま肥満体系を維持したままでいると、血糖値は上がり続けることになるのですが、そうすると、体の末端の視神経から徐々に障害がおこり、血液循環も悪くなり、進行すると壊疽や壊死というような状態がおこる可能性があります。
そして、食事療法を行なわずに疎かにしていると、いつしか合併症を引き起こしてしまい、最悪の場合は死期が近づくことになります。
このように食事療法はただ痩せるというためだけに行うのではなく、死期を早めず、回避するためにも行わなくてはならないことなのです。
これが糖尿病は全身の血管病といわれる由縁です。
食事療法ってなに?
そもそも食事療法って何なのでしょう。
ただ食事量を抑えていれば良いのでしょうか。
糖尿病における食事療法は、血糖コントロールを行って合併症を予防するのが目的です。
食事療法の原則は、
糖尿病の人が今までやってこなかったことの真逆のことをすることで、正常な食生活に戻り、体の中から改善されていくというわけです。
あなたの今までの食生活と比較してみると、見直す必要があるのではないでしょうか。
糖尿病の食事療法はそこから始まります。
次の項目をチェックしてみて下さい。
今までの食生活がどれだけ悪かったのかがわかるはずです。
血糖値を上げやすい食事
今までたくさん食べすぎる習慣を持っていた人は、エネルギー摂取量も多く、肥満になる傾向が強いです。
特に、揚げ物、ご飯や麺類ばかり、お好み焼きなどの粉もの、甘いものに偏っていると肥満に繋がり、血糖値が上がりやすくなります。
甘い飲み物や間食には、食事で摂る栄養よりも量を把握しづらいです。
これは、食後に分泌されたインスリンが落ち着いた頃にまた血糖値が上がることでインスリン分泌の間隔が短くなります。
そのためにすい臓に負担がかかってしまい、エネルギー過多や血糖値を上げやすいなどの弊害が生じるので、すい臓の負担を減らすためには、食事と食事の間隔は適度に開けた方がよいです。
日本人に多いのは主食に偏ってしまうケースで、たとえば、麺類とおにぎりの組み合わせですが、健康的なメニューだと勘違いしている人が多くいますが、ご飯や麺類などの主食はほとんどが糖質なので、体内でブドウ糖に変わり、血糖値を上げてしまいます。
また、早食いをすると、どうしても食べ過ぎになってしまい、食後高血糖を生じやすいので、これは改善したい習慣です。
よく噛んで時間をかけて食事をすると、たとえ少ない量でも満腹感が得られ、ゆっくり食べることで血糖値の上昇も緩やかになりますので、実行してみて下さい。