糖尿病では、食品交換表を用いたカロリー制限の食事療法は健康的といえます。

食品交換表とは、適正な量で栄養のバランスのよい食事の献立が誰にでも手軽にできるように作られたものです。

この食品交換表をうまく使いこなせるかどうかで、食事療法の成果は変わってきます。

食品交換表から導かれる食事療法の目的

私たちが日常食べている食品は、主にどのような栄養素が含まれているかによって、6つの表に分けてあります。

表1:主に炭水化物 → ご飯・パン・麺類、豆類穀物、いも、炭水化物の多い野菜
表2:主に炭水化物 → 果物
表3:主にたんぱく質 → 肉・魚介・卵・チーズ・大豆製品
表4:主にたんぱく質 → 牛乳・乳製品
表5:主に脂質 → 油脂・多脂性食品
表6:主にビタミン、ミネラル → 野菜・きのこ・こんにゃく・海藻

これは食品をグループに分け、「単位」という方法を用いて献立を組み立てていく方法で、1単位を80kcalとし、設定エネルギーを80kcalで割ることで自分に必要な単位数を算出することができます。

これだけを聞くと、なんだか難しく感じるかもしれませんね。

でも、食品交換表の考え方を利用すると、何をどのくらい食べていいかがわかりやすくなり、大変だと思われがちな糖尿病の食事療法が簡単に行えるようになります。

基本的に、糖尿病の食事療法はこの表に則って行いて、この食事療法は糖尿病の治療のためだけでなく、肥満解消やほかの病気の予防にもよいです。

実際にやってみると、やはり計算が面倒に感じたり、食べられる量が限られるので、物足りなく感じる方も多いようです。

また、接待や宴会で外食が多い場合は難しいことがあり、人によっては負担が大きく感じられ、なかなか続かないことがありますが、このような場合でも、治療自体をあきらめず、その時はお医者さんに相談してみてください。

挫折しても何もしなくなってしまうより、基本の食事療法を選択することができるかもしれません。

食事療法の目的は、適正エネルギー量を食べるということではなく、血糖コントロールの不良を防ぎ、合併症を予防して長生きすることにあります。

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糖質制限食で血糖値上昇を抑える

血糖値の上昇を抑える新しい選択肢のうちのひとつが、糖質制限食です。

基本的な食事療法では、カロリー摂取を見直して肥満を抑えることで糖尿病を改善しようとしています。

しかし、糖質制限食では、食事に伴う血糖値やインスリン需要の増加を避けることを狙いとしている違いがあります。

食事によって血糖値が上がるのは主に糖質を摂取した時で、脂質やタンパク質の摂取では少なくとも急激には上昇しないのです。

糖質はデンプン類や糖類のことを指しており、味覚的に甘いものとは限りません。

糖質制限食のメリットはカロリー摂取を気にしなくていいこと

糖質は一般的な食事の総エネルギーの50~60%を占め、消化吸収が早く、食後の血糖の増加に大きく影響します。

糖質制限食で重要な考え方は、糖質を多く含む米や小麦粉などの主食、イモ類、甘いものなど一部の食品についてだけ制限すればよいことです。

特に、肉や魚、大豆製品、乳製品などの資質やタンパク質から摂取するカロリー量は、基本的に気にしなくても良いという特徴があります。

総カロリーを気にしなくてすむので、たくさん食べられる機会が増え、満足感も味わえ、それによって長続きもするので、糖質制限食は意外とうれしい食事制限ではないでしょうか?

しかし、この糖質制限食は、比較的新しい食事療法ということで、決まったガイドラインがまだなく、1食の糖質量が20g以上40g以下の食事が基として提案されているだけです。

ここで糖質摂取量の下限を、20g以上としていることが重要な点です。

糖質を制限しすぎて糖質が不足した場合、ケトアシドーシスといってケトン体が異常に増加して、体液が酸性になる症状を起こす可能性がありますが、20g以上という基準を守られていれば、これにリスクはありません。