糖尿病の治療は、食事・運動・薬物療法により血糖値を上げないようにコントロールし、絶対に発症してはいけない合併症を予防する事です。
その中でも、自分でできることで特に意識してやらなくてはならないことは「食事」と「運動」です。
この2つをうまく組み合せることで効果が現れる可能性は大きいのですが、当然ですが、やらなければ効果は期待できません。
では、いったいどんなことをしたらよいのでしょう。
食事療法は忠実に実行する
食事療法に関しては血糖の上昇に直接関係してくるため、特に重要視して行っていかなければいけません。
しかし、糖尿病の食事療法は特別な食事があるわけではなく、今までのような食べ物の過剰な摂取は避けて、1日の摂取エネルギーを守ると同時に栄養素をバランスよく摂ればよいです。
ここでいうバランスのよい食事とは、
ご飯やパンなどの穀物類で主に糖質類を含む食品などの「主食」、献立の中心となるおかずや魚や肉などのたんぱく質を含む料理などの「主菜」、野菜や海草やきのこ類を使った料理などの「副菜」を組み合わせた食事になります。
糖尿病の場合、まずは今の体重を落とすことをお医者さんに言われるはずです。そして一般的に、どのようにしたら痩せられるのかも教えられるはずなので、教わったのであれば、それを忠実に守って実行するしかありません。
良くも悪くも次の検査では、それがしっかりと現れますので、やったかやらないかはわかります。
たいていの方は「どうにかして痩せたい」という思いはあると思いますが、太ることは簡単なことでも、痩せるという事は時間がかかりなかなか難しいものがあるので、挫折したり、嫌になってしまうことがあるかもしれません。
しかし、自分の命に関わることなので、やらざるを得ないですし、誰も助けてはくれないことを自覚して下さい。
病気が進行して苦しむのは自分自身なのですから。
とにかく、お医者さんに体重を減らせと言われたのであれば、何が何でも痩せなければ自分の体が蝕まれることになります。
食事面で意識すること
体格によっては、10kgの減量を言い渡される人もいるでしょうし、30kgの減量を言い渡される方もいるかもしれません。
痩せるには、まず何をしたらいいのかわからないという方もいるでしょうから、食事面での大まかなことだけ解説しておきます。
運動療法は苦手な人が多い
肥満の方や動くことが苦手な方は、運動がキライな傾向にあるようです。
だから糖尿病を発症したのかもしれませんが、糖尿病になったことで、体力的にも精神的にも、あるいは年齢的にも一番つらくて大変な時期に、今までできなかったことをしなくてはいけなくなりました。
これが今までのツケなわけですが、そもそも運動をしないで体重を落とせないものかと思うかもしれません。
しかし運動をしないで食事だけで減らそうとすると、筋肉量が落ちてしまうので健康面ではあまり良くない方法です。
それだけではなく、食事だけで体重を減らそうとした場合、おそらく今までの10分の1にしなければ痩せない可能性が高いです。
それよりは、食事もしっかりとと摂りながら、軽いウォーキング等でもよいので、無理をしない程度に毎日続けることを意識してみてください。
どのような運動をしたらよいか
運動療法とは言いましても、激しく動くスポーツをすると言うのではなく、動くことでカロリーを減らしたりすることで十分に痩せられるような運動を指します。
だからゆっくりと歩くウオーキングでもよいですし、意外と日常の掃除などをすることでもカロリー消費が可能です。ただし10分くらい歩いただけでは、どこにも効果が現れることはありません。
脂肪が燃焼を始めるのは、ジョギングの場合20分を過ぎてからで、その時間を過ぎないと痩せることはなく、自己満足で終わるだけです。
そのようなことからも、ジョギングよりもカロリー消費が少ないウォーキングをする場合には、ゆっくりとした早さでもよいので1日1時間程度はかけて歩かないと効果が薄いです。
食後は、1~2時間位で血糖値が上がりますので この時間帯に合わせて運動をすると効率よく血糖値を下げることができます。
ウォーキングのほかには、それほど重くないダンベル体操を、これもゆっくり長い時間をかけて続けるのがよいです。
もちろんウォーキングとダンベル体操を行うことで効果的に痩せることはできるでしょう。
特に運動する時間を設けなくても、たとえば、エレベーターやエスカレーターを使うのをやめたり、日常の生活でよく動いたり歩くことを多く取り入れることで、自然と痩せる場合もあります。
そして、お医者さんに言われたと思いますが、糖尿病の方は、飲酒や喫煙は絶対に禁止です。