今までの悪い生活習慣のツケが糖尿病という形で現れる方は、予備軍を含めると国民の5人に1人であるほど重大な問題に発展しています。
これほど、社会的にも問題視されるほど大きくなりすぎた糖尿病になってしまったら、治ることはないのかという不安があると思います。
はたして糖尿病は治ることはあるのでしょうか。
糖尿病は本当のところ治るのか
健康診断などで検査にひっかかると再検査となるわけですが、そこで糖尿病と診断が下される方もいると思います。
糖尿病は、インスリンの分泌や働きに障害がおこるため、血液中のブドウ糖濃度が高い高血糖という状態が続く病気です。
血糖値の高い状態が続くと、しだいに糖尿病が発症しますが、厄介なことに、糖尿病は初期には症状がないのでわかりにくく、糖尿病が進行すると全身の血液はさらに傷ついて、腎症や動脈硬化など知らない間に色々な合併症を引き起こします。
ここまで糖尿病が進行してしまうと、元に戻ることはなくなります。
そのようなことからも、一度インスリンの分泌や働きに障害がおこると、元に戻ることはできないので、糖尿病が完治するということはありません。
しかし、適切な治療を行うことによって、血糖値をよりよい状態にコントロールし、症状の進行を抑えることは可能です。
そのために、糖尿病と診断されたら、定期的な検査を受けるとともに、医師の指導に従うことが大切です。
糖尿病を進行させないためにすること
糖尿病と診断されたら、今までとは違う生活が待ちかまえています。
それは、ほとんどの方が行なってこなかった食事療法や運動療法を行うことになりますが、まずは今までの不摂生を改善する気持ちで、血糖値を上げないようにすることを目標にします。
おそらくほとんどの方が、面倒で嫌がることでしょうが、命に関わることなので、今までの生活習慣が悪かったツケだと思って、実行するしかないです。
食事療法や運動療法が改善されなければ、薬を使うという手段もあります。
次回診断時までに高血糖が続いていれば、すぐに薬物療法を始めることになるかもしれませんが、糖尿病は薬だけ飲めばよくなるという簡単なものではないです。
薬物療法を始めた場合でも食事療法や運動療法は同時に行わなくてはいけないので、症状が悪化しただけでなく、やることが増えることになるので、今までよりももっとツライ事になるかもしれません。
薬物療法を頼らないで、食事療法や運動療法だけに留まっていることが望ましいですが、少しでも怠ると薬物療法に移行してしまうので、しっかりと取り組まなくてはいけません。
普段の食事を例にとると、炭水化物や脂肪、甘いものを摂る量が過剰な人が多いので、まず第一に、そこを改善しなければ、どんなにインスリンの分泌や作用を促す薬を使ったとしても、効果が上がることはありません。
運動療法を取り入れるにしても、インスリンの働きを促進するので欠かすことができません。
糖尿病の治療をしたらストレスが増えた
食事療法や運動療法は続けなければいけないことなのですが、今までやってこなかったことですから、なかなか思うようにいくはずがありません。
しかし、食事療法や運動療法をやらなければいけないという思いが強いことで、ストレスを抱え込むことになります。
そのような場合には、視点を変えて、糖尿病と診断されたことが、健康的な生活習慣を取り戻す良い機会だと前向きにとらえると、少しはストレスの量が減るかもしれません。
ストレスがかかると良くない理由には、交感神経が関わっていて、ストレスがかかると交感神経が刺激され、血糖値が上がることが知られています。
ストレスを抱えることで、長期的に見ても過食をまねいたり、血圧を上げたりして、血糖値のコントロールにも影響します。
これらの治療は精神的にきついものがあり、もしも日常の生活で支障が出る場合には、精神科や心療内科などを受診し、ストレスを軽減する必要がります。