太っていると糖尿病になるリスクは高いと言われており、健康診断でも糖尿病に関わる検査項目にメタボリック症候群の有無を調べていることは良く知られています。

ではどんな人が糖尿病になりやすいのか、解説していきます。

糖尿病になりやすい人

太っている人が糖尿病になるの?

日本では「太っている人が糖尿病になる!」などと、決めつけられたかのように語られているように感じます。

そもそも、太っている人がなぜ糖尿病になるリスクが高くなるのかというと、そのひとつとして、太っている人はたくさん食べることが多いために、糖の利用に必要で、すい臓から分泌されているインスリンの効きが悪くなりやすいことがあげられます。

それに加えて、体脂肪が多いと血糖値を上げやすくすることもひとつの要因とされていますが、これは血液中に中性脂肪やコレステロールなどの脂肪分が多いと、これらが肝臓や筋肉に蓄えられ、インスリンの働きが悪くなるために高血糖になります。

しかし、太っている全ての人が糖尿病を発症するわけではありません。

どんなに多く食べても、その分インスリンの分泌が増えて働きが保たれていれば、体脂肪率が高くても糖尿病を発症するリスクは低くなります。

逆に、痩せている人であっても、食べる量が多い人や内臓脂肪の多い人は、インスリンが大量に必要となるので注意が必要です。

糖尿病の患者さんは、実は、標準または少し痩せ型の人の方が多いとも言われており、特に、アジア人に多い多いタイプの糖尿病の型(アジア型糖尿病)は、むしろ太っていない人に多いことが知られています。

アジア型糖尿の特徴は、生まれつきインスリンの分泌が弱い体質を持っている人が、食事の摂り方や運動不足などの生活習慣をきっかけとして、インスリンの作用不足に陥って発症するものです。

また、2型糖尿病が進行すると体重減少がみられることもあるので、痩せているから安心であるというわけではないようです。

中高年層は糖尿病になりやすい

糖尿病には1型と2型があるのですが、日本人の糖尿病は90%以上が食事内容など長年の生活習慣が影響しておこる2型糖尿病で、長い時間をかけてジワジワト発症するという経緯から、中高年以上で発症しやすいことが明らかです。

一方、1型糖尿病の場合は、体内の免疫異常により年齢や生活習慣などに関係なく発症します。

中高年でも、まれに1型糖尿病の発症がみられるのですが、一般的には、1型糖尿病は若いうちに発症するケースがほとんどです。

甘いものが好きだと糖尿病になるか?

最近は甘いスイーツなどが流行っていますので、甘いものが好きな人にとって抑えきれない事もあるかもしれませんが、このような甘いものや脂っこいものを大量に摂るなどの偏った食生活を続けていると、インスリンの分泌量が増えることで高血糖を招く可能性があります。

しかし、甘いもの好きだからといって、甘いものが好きな人の全てが糖尿病になるというわけではないです。

血糖値を上げるのは、砂糖を使った甘いものだけではなく、ごはん類や麺類、イモ類などの炭水化物全般がそのようにさせていて、これらは脂肪と一緒に摂ることで血糖値を上げやすくなることがわかっています。

甘いものや炭水化物を、脂肪分の多い食品と一緒によく食べる習慣のある人は、高血糖になりやすいので注意が必要です。

遺伝によって糖尿病になか?

日本人の糖尿病の多くは2型糖尿病ですが、遺伝的な要素も深く関わっていることがあります。

これはどういうことかというと、インスリンの分泌がもともと弱い性質を受け継いでいるという事です。

親が遺伝的な体質を持っていて2型糖尿病を発症した場合は、子供にもその体質が遺伝することがあると考えられます。

しかし、遺伝的要素があっても、必ずしも発症するとは限りません。

2型糖尿病の発症には、食事や運動などの生活習慣や、ストレスなどの環境要因が大きく関わるので、親からその体質を受け継いでも、生活習慣や環境が異なれば、発症しないこともあります。

ただし、生活習慣は家族間で似通っていることが多いことから、発症した親の生活習慣の見直しを手伝いながら、自分の生活習慣も改善できると、糖尿病の発症を防ぐことが可能です。