自分ははたして糖尿病なのか、血糖値がどのくらいあれば糖尿病なのか気になる方は多いと思います。
糖尿病かどうかを診断するには、血液検査を行って血糖の状態を調べます。
検査方法には、現在の血糖の状態がわかる空腹時血糖値「ブドウ糖負荷試験」「随時血糖値」などにより血糖値を調べる検査や、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖の状態がわかる「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」があります。
以前は、血糖値を測定して糖尿病が疑われた場合、別の日に再び血糖値を測定していたため、患者さんが再検査に来なかったり、糖尿病の治療の開始が遅れてしまうことがあったのです。
ところが、HbA1cが導入されたことにより、血糖値とHbA1cともに糖尿病を示す「糖尿病型」だった場合と、血糖値のみが「糖尿病型」でも糖尿病を示す症状が出ている場合には、1日で確定診断ができるようになったことで、早期診断と治療の開始が可能になりました。
しかし、1日で診断が可能になったとはいえ、HbA1cのみが糖尿病型の場合などには、1ヶ月以内の再検査が必要になりますので、その場合は、自分の健康を守るためにも必ず再検査を受けることです。
糖尿病の検査と基準値
糖尿病の検査方法には「空腹時血糖値」「ブドウ糖負荷試験」「随時血糖値」などにより、現在の血糖値を調べる検査があります。
「空腹時血糖値」
「空腹時血糖値」を受けるには、前夜から10時間以上絶食して測定に臨みます。
これにより、食事の影響を受けていない血糖値なのかがわかります。
血糖値の基準値は 126mg/dlで、それ以上が糖尿病です。
「ブドウ糖負荷試験」
「ブドウ糖負荷試験」では、空腹時血糖値を測定後、ブドウ糖75gを溶かした水を飲み、1時間後と2時間後に測定します。
血糖値の基準値は 200mg/dlで、それ以上が糖尿病です。
「随時血糖値」
「随時血糖値」では、絶食などをしないで測定します。
これにより、食事に関係ない血糖値がわかります。
ここではいつ何を食べたのかを伝えます。
血糖値の基準値は 200mg/dlで、それ以上が糖尿病です。
「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」
「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の検査では、血液中のヘモグロビン全体に占めるHbA1cの割合を測定することで、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖の状態がわかります。
血糖値の基準値は 6.5%で、それ以上が糖尿病です。
基本的にHbA1cが8.0%以上、早朝空腹時血糖値160mg/dl以上、食後2時間血糖値で220mg/dl以上の、血糖コントロールが不可の状態であれば、インスリン療法を開始することになります。
これら3つの「現在の血糖値を調べる検査」と、「HbA1c」を測定する検査により、両方に当てはまれば糖尿病と診断され、どちらかに当てはまる場合には再検査が必要となります。